薄毛が気になり始めたら！30代からの抜け毛予防

抜け毛を感じる人が急に増える年代が30代です。特に男性はAGA（男性型脱毛症）の症状が出始め、抜け毛が増える時期です。一方、女性の多くは出産・育児を経て子育てに忙しい時期に当たります。さらに、加齢による抜け毛もちらほら出始めるころですから、同じ抜け毛でも個人差が大きくなるのが30代です。正しい原因をつかんで、その原因に合わせた予防や対策をしなければなりません。ここでは30代の抜け毛の原因と対策について解説します。

30代の方にお聞きします！抜け毛予防を行っていますか？

まずは、30代の人に日頃から行っている抜け毛予防策はあるかどうか質問してみました。

【質問】
実践している抜け毛予防策はありますか？

【回答結果】
はい：123名
いいえ：86名

【調査概要】
調査地域：全国
調査対象：30代・男女
調査期間：2017年2月23日～2017年2月26日
有効回答数：209サンプル

30代は抜け毛対策をしている人が多数派

今回のアンケートでは、何かしら抜け毛予防対策をしているという回答した人が6割弱という結果になりました。

・頭皮マッサージ。しかし表面をマッサージするのではなく、頭皮ごと動かすようにするといいと聞いて、やっている。血行が促進されて、良いらしい。（30代/専業主婦・主夫/女性）
・シャンプーは原液を頭皮につけず、よく手で泡立ててから髪に付けるようにしています。また、頭皮を指の腹で揉むように洗っています。（30代/パート。アルバイト/女性）
・シャンプーをスカルプシャンプーへ変えました。髪の洗い方も以前はごしごしと洗っていましたが、頭皮をマッサージするように洗っています。白髪も目立つのでワカメなどを摂るようにしています。（30代/会社員/男性）

抜け毛予防策をしていると答えた人の挙げた対策の多くはシャンプーに関するものでした。男女問わず「シャンプーを変えた」「シャンプーのやり方を変えた」というものが目立ちます。30代になって急に抜け毛が増えたと感じている人も多く、とりあえずは手軽に始められるシャンプーから対策を始めた様子がうかがえます。一方、対策をしていないと回答した人のコメントは以下の通りです。

・抜け毛は気になっていますが、実際何を対策すればよいのか分らないため、何もしていないです。（30代/パート・アルバイト/女性）
・産後毛が抜けるようになり気になっていますが一過性のものと信じているので何もしていません。（30代/専業主婦・主夫/女性）
・抜け毛は多いけれど、薄さを感じないので対策を行っていません。（30代/無職/男性）

対策をしていないと答えた人のコメントを見ると、女性は「産後の抜け毛だから」、男性は「まだ目立つほど薄くない」という声が目立ちました。産後の抜け毛に関しては確かに一過性ですが、対策は薄さを感じてからで大丈夫だと思っている人が案外多いことがわかりました。

アンケートの結果、やはり30代ともなると、抜け毛が気になる人は急激に増えるようです。では、30代で抜け毛が増える理由にはどのようなものがあるのでしょうか？ここからは、30代の抜け毛について解説していきます。

30代で抜け毛が増える理由

30代の抜け毛の特徴は、男性の場合はAGAです。

AGAとはAndrogenetic Alopecia、つまり男性型脱毛症のことです。

男性ホルモンの影響で起こる成人男性特有の薄毛です。

このAGAの抜け毛が起こり始めるのが20代後半から30代の時期に当たります。

ですから、男性で30代になって急に抜け毛が増えたと感じた場合、AGAを疑うことが多くなります。

ただし、AGAの場合は、ただ男性ホルモンの量が増えたとか減ったとかそういうことで起こるわけではありません。

もともと遺伝によってなりやすい人となりにくい人がいます。

しかし、男性ホルモンのテストステロンが変化してジヒドロテストステロンになることで発症するため、男性ホルモンの影響で起こる男性特有の脱毛ということは間違いありません。

一方、30代の女性に多いのは産後の抜け毛と、女性ホルモンが減少することによる抜け毛です。

女性の場合は、女性ホルモンの分泌量が最も多いのが20代後半で、その後は徐々に分泌量が減っていきます。

ですから、30代前半であれば女性ホルモンが十分に分泌されているため、出産後の脱毛も本当に一過性で済むかもしれませんが、30代後半の場合は、出産後の脱毛の陰に女性ホルモンの分泌量の減少が隠れている可能性もあります。

30代の抜け毛！増えやすい人の特徴

AGAは基本的に遺伝によって発症しやすい人としにくい人が決まっています。

AGAの発症しやすさを左右する遺伝子は2つあり、どちらか1つを持っているだけでも発症しやすくなると考えられます。

遺伝子の1つはアンドロゲン受容体の感受性に関するものです。

毛乳頭の中にあるアンドロゲン受容体の感受性が高いと、それだけジヒドロテストステロンと結びつきやすくなるため、AGAを発症しやすく抜け毛も多くなります。

もう1つは5αリダクターゼの活性度に関するものです。

テストステロンと頭皮の中にある酵素5αリダクターゼが結びつくとジヒドロテストステロンになるため、5αリダクターゼの活性度が高いほどAGAになる率が高くなります。

このうち、アンドロゲン受容体の感受性は母方の遺伝で決まります。

5αリダクターゼの活性度に関しては、両親のいずれかの活性度の高いほうが優先的に遺伝されます。

女性の場合は、妊娠・出産を含め、ホルモンバランスを崩している人は抜け毛が増えやすくなります。

AGAも産後の脱毛も、ストレスを抱えている人や、生活習慣が乱れている人、間違ったヘアケアを繰り返している人は抜け毛が進行しやすくなるため注意しましょう。

30代の抜け毛を悪化させる生活習慣

抜け毛を悪化させる生活習慣にはさまざまなものが考えられますが、まず挙げられるのが慢性的な睡眠不足です。

睡眠時間が足りていないと自律神経の働きが衰え、男性ホルモンの分泌量にも影響を及ぼします。

また、睡眠時に分泌される成長ホルモンが髪の成長にとっては極めて重要です。

慢性的な睡眠不足は成長ホルモンの分泌量を低下させ、髪の成長が停滞して抜け毛が増える原因にもなるので気を付けなくてはなりません。

次に、偏った食生活も抜け毛を悪化させる生活習慣の一つだといえます。

良質な髪を育てるためには、タンパク質とビタミン、ミネラルを意識的に摂取することが大切です。

タンパク質を豊富に含む肉や魚、ビタミンを豊富に含む玄米やレバー、ナッツ、ミネラルを豊富に含むチーズや海苔などを積極的に食事に取り入れるとよいでしょう。

さらに、運動不足は血行不良を引き起こし、頭皮環境の悪化につながります。

デスクワークで室内にこもりがちな人は、軽いウォーキングなどを心がけることをおすすめします。

30代の抜け毛を予防&対策

職場でも家庭でもストレスがかかりやすい年代です。

AGAも産後の脱毛もストレスにより症状が進行しやすいため、ストレスがかかりすぎないように十分注意しましょう。

ストレスの原因は取り除けるのであれば取り除くのが理想ですが、取り除けない場合のほうが多い可能性があります。

そのため、いかにしてストレスの感受性を抑えるかがポイントになります。

心に余裕がないときほど、同じ出来事に対して過剰に反応してしまいがちです。

人と接したり何かを始めたりする前には、深呼吸をしたりストレッチをしたりして、脳内をリラックス状態に傾けてから始めると、ストレスを感じにくくなります。

また、ストレスを感じても溜め込まないようにすると、抜け毛を増やさずに済みます。

短い時間でもリラックスできる時間を作るようにして、少しでもストレスを発散させられるようにしましょう。

AGAに関しては、体質的な遺伝が関係しているとはいえ、対策ができないわけではありません。

治療や薬の服用によって症状の発症を抑えたり改善したりすることが可能です。

AGAには内服薬があるため、まだ疑いの段階からでも医療機関に相談してみるとよいでしょう。

早く原因がわかれば発症を抑えられる可能性が高まります。

生活習慣の悪化が抜け毛の原因になっている場合、寝具を変えるなどの工夫で睡眠の質を向上させることが大切です。

寝返りがうまく打てないなど、睡眠環境に問題がある場合は工夫次第で簡単に改善できるので、自分に合った寝具を探してみましょう。

また、夜ふかしをやめて意識的に睡眠リズムを変えてみる方法も効果的です。

夜はなるべく早めに床に就き、朝も決まった時間に起きるようにしてみてください。

初めのうちはうまく寝つけないかもしれませんが、だんだん体が慣れて早寝早起きの習慣が身に付くでしょう。

ビタミンやミネラルを多く含んだ、髪によい食材を意識的に摂取することも大切です。

そして、整髪料をつけすぎない、シャンプーは洗浄力の強すぎないものを使うといった工夫で、頭皮環境を清潔に保つようにしてください。

シャンプーをするときは、ついでに指の腹でやさしく頭皮マッサージを行うと血行が促進され、頭皮環境の改善につながるので試してみましょう。

まとめ

30代は、ホルモンバランスが大きく変わる時期です。

男性ならAGAの抜け毛が始まるのが30歳前後。

女性なら30代前半と後半で抜け毛の原因が違ってきます。

もちろん、30代だからといって30代特有の原因で薄毛になっているとは限りません。

どの年代でも共通している原因も含め、幅広く原因をチェックすることが大事です。

抜け毛の原因がわかりにくいときは、専門サロンにも相談してみましょう。

原因を見つけてもらえるため、対策をとりやすくなります。
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