ずっと悩んでいた。子どもの頃からおでこが広く、お父さんからの遺伝もあり、自分も将来薄毛に悩む日が来ることを想像して、不安で仕方なかった。

行くだけ行ってみよう。初めは興味本位で予約してみた、バイオテックの発毛体験。
でも、迎えてくれたスタッフの方は自分のことのように話を聞いてくれた。何よりも、優しく温かい笑顔に心動かされ、閉ざしていた思いの丈を明かした。

1回だけのお試し体験なのに、髪も元気になっていた。それだけでない、心の変化も確かに感じていた。経験した事がない程、元気になれた僕がいたのだ。

学生の頃からくすぶり続けた胸のつかえが取れた気がした。

もう僕に迷いはなかった。

半年集中して通うとみるみる良くなり、周りが見違える程に。失っていた自身も取り戻しつつあった。実は、半年だけ頑張れば一生髪があると高をくくっていた。

だが、歩んだ道は、決して平坦ではなかった。
しばらくは順調だったが、年を重ねるにつれ状態が落ちてきたのだ。遺伝の影響なのか、前ほど効果が見られない。イライラしたことも、おこがましいことに意見をぶつけたこともあった。

「どうすれば良いのか？」
出口の見えない戦いを投げ出しそうになっていた僕は、半ば投げやりにスタッフに問いかけた。

お客さまの期待や不安を受け止めて、どんな些細な質問にも細かくお答えしました。
「この育毛ケアは、どんな効果があるの？」
「何がどう良いのか、もっと詳しく教えてよ！」
時にはぶつかる事もありましたが、その積み重ねが大切でした。

髪の不安が減ると積極的になれた。
人前が苦手だった僕が、率先してコンパを企画した事もある。結婚して子どもも授かった。子どもの頃からずっと人目を気にしていたのが嘘のように、性格まで明るくなれた。

入会から数年経った今は、自宅ケア商品の購入と月2回の『もみ出し』を続けている。こどもも大きくなったので、学生時代に熱中したスポーツに再挑戦して一緒に楽しもうと意気込んでいる。

月2回のもみ出しではこんなプライベートな話までしてしまっている。それだけ、全てをさらけ出せる仲だということ。僕も壁を作らないし、スタッフにも作って欲しくない。

今は商品もより良くなって、自宅中心のケアでも髪が元気になる時代になった。
でもサロン通いだけは、これからも欠かしたくない。

僕の元気と笑顔はそこから生まれているから。