HAIR GROWTH
発毛・育毛
過剰に分泌された皮脂が頭皮に溜まると、髪の正常な成長を阻害し、抜け毛の原因になることがあります。
しかし、いくら皮脂が抜け毛の原因になり得るかといって、単純に取り除けばよいというものでもありません。
皮脂が不足すると頭皮が乾燥し、抜け毛を引き起こすことになります。
適度な皮脂の量が重要というわけです。
では、なぜ皮脂が過剰に分泌されてしまうのでしょうか。
この記事では、皮脂が抜け毛を引き起こすメカニズムと、皮脂が過剰分泌される原因について解説します。
目次
皮脂はどれだけ危険視されている?抜け毛の意識調査!
まず、皮脂が抜け毛の原因になっていると思っている人がどれくらいいるのか、アンケートを取って調べてみました。
【質問】
頭皮に蓄積された皮脂は抜け毛の原因になると思いますか?
【回答結果】
思う : 88
思わない : 12
調査地域:全国
調査対象:年齢不問・男女
調査期間:2018年11月01日~2018年11月08日
有効回答数:100サンプル
皮脂を抜け毛の原因と考えている人が大多数
今回のアンケートでは、皮脂が抜け毛の原因になると思うと回答した人が全体の約8割を占めました。
・過剰な皮脂は抜け毛の原因になると思います。皮脂はある程度頭皮には必要なものですが、何事も度が過ぎれば悪く働いてしまうもの。皮脂を溜めすぎないように、1日1回はシャンプーをします。頭皮の洗い過ぎも問題なので、注意しつつ。(30代/個人事業主・フリーランス/男性)
・毛穴の詰まりを引き起こし、細菌の繁殖によるニキビトラブルや抜け毛の原因になると美容師さんから聞いた。(20代/専業主婦(主夫)/女性)
・皮脂の毛穴への詰まりは抜け毛が増えるだけでなく、頭皮自体にダメージを与えると思います。清潔に保つことが大事だと思います。(40代/正社員/男性)
皮脂が抜け毛の原因になると思うと回答した人のコメントを見ると、過剰に分泌された皮脂で、なおかつ毛穴に詰まった場合に問題があると認識していることがうかがえます。
頭皮を清潔にすることは大事でも、皮脂を取り除きすぎるのもよくないという意見が数多く見られました。
一方で、皮脂が抜け毛の原因になるとは思わないと回答した人のコメントは次の通りです。
・新しく毛が生えてくる妨げにはなると思いますが、抜け毛の原因になるとは思いません。(50代/専業主婦(主夫)/女性)
・仮に何らかの事情で頭を長期間は洗えない状態でも抜け毛にならないような気がします。(50代/正社員/男性)
・むしろ増毛に役立つと思う。保湿・保温されるので、地肌が傷みにくくなると思う。(20代/無職/女性)
思わないと回答した人のコメントを見ると、過剰な皮脂や毛穴の詰まりは想定していないように感じられます。
皮脂が頭皮や髪にとって必要なものだから、抜け毛にはつながらないと考えているようです。
今回のアンケートでは、大多数の人が皮脂を抜け毛の原因と認識しているものの、頭皮や髪の毛にとって必要な面もあると考えていることがうかがえました。
では、皮脂の量がどれくらいまでなら抜け毛の原因にならずに済むのでしょうか。
髪や頭皮にとっての皮脂の適量について見ていきましょう。
多すぎても少なすぎてもダメ?適切な皮脂の量
頭皮は、体のなかでも皮脂の分泌が盛んな部位です。
面積当たりの皮脂腺数が多いことが影響しています。
頭皮に皮脂腺が多いことには意味があります。
頭皮は薄く、紫外線にさらされやすい部分だからです。
皮脂で薄い保護膜を作り頭皮を守っています。
ですから、頭皮の皮脂が抜け毛の原因になるからといってすべて取り除くのはよくありません。
逆に皮脂を奪いすぎてしまうと、不足分を補おうと過剰分泌を促す結果になってしまいます。
適切な皮脂の分泌量は個人差があるので、一概にどれだけと数字で言うことはできません。
しかし、正常な分泌量かどうかを簡単にチェックする方法はあります。
準備するものはタオルと500円玉です。
おでこと頭皮の皮脂分泌量はほぼ同じといわれているので、おでこを使って皮脂の分泌量を調べます。
タオルでおでこを軽くふいてから上を向き、おでこの上に500円玉を乗せ、そのまま前を向いたとき、500円が何秒で落ちるかを計る方法です。
3秒前後で落ちれば正常、3秒以上かかると皮脂の分泌量は多め、5秒以上かかると過剰分泌が疑われます。
ただし、落ちるまでの時間が短すぎるのも問題です。
正面を向いてすぐに落下するようなら皮脂が足りていないと言えます。
頭皮の皮脂が多くなる原因と抜け毛が増える理由は
ストレスによって自律神経のバランスが崩れると皮脂の分泌量に影響が出ます。
自律神経は相反する性質を持つ交感神経と副交感神経という2種類の神経です。
この2つがバランスをとることで、体温や血流量、皮脂やホルモンの分泌量など、さまざまなコントロールを行っています。
ストレスが大きいときに皮脂の分泌量が増えるのは、交感神経が優位な状態が続くと皮脂腺の働きが活発化するためです。
また、男性ホルモンの刺激が大きいときも、皮脂の分泌は活発になります。
男性ホルモンが急激に増える思春期も皮脂が過剰分泌されやすい時期です。
また、血行不良や食生活の偏りが皮脂の分泌を増やすこともあります。
皮脂は頭皮の表面を守るために分泌されるので、血行不良で頭皮が不健康な状態になると防御反応で皮脂分泌が増えるのです。
シャンプーなどの刺激で皮脂が減り過ぎたときも、頭皮を守るために足りない分を補うように皮脂が過剰分泌されます。
食事面では糖や動物性脂肪を摂りすぎたときに、分泌量が増えるようです。
過剰分泌された皮脂が溜まると毛穴を塞ぎやすくなり、毛根に栄養を与える血液の流れを妨げてしまいます。
十分に栄養や酸素が行き渡らなくなるため抜け毛が増えるわけです。
生活習慣の見直しで!すぐ実践できる対策方法
過剰に分泌されている皮脂の分泌量を適正化するためには、生活習慣の見直しが欠かせません。
皮脂の分泌量は食生活の乱れやストレスが大いに関係しているからです。
たとえば、動物性の脂肪や糖質に偏った食事を続けていると、皮脂の分泌が増え、頭皮がべたついた状態になってしまいます。
動物性の脂質や糖質を完全に断たなければいけないというわけではなく、ほかの栄養素とのバランスを考えて摂るようにすることが大事です。
全く脂質や糖質を摂らないということになると、今度は皮脂が不足して、頭皮が刺激に敏感になり過ぎてしまいます。
日常的にストレスがかかっている場合は、何がストレスになっているのかを探って、対処方法を考えましょう。
取り除けないような原因の場合には、無理に取り除こうとするのではなく、ストレスの解消につながることを何か始めるとよいでしょう。
ストレスを忘れて発散できることやリラックスを感じられることが見つかれば、ストレスによって増えていた皮脂量が適正化されていくはずです。
清潔で健康な頭皮にするために!シャンプーの方法は?
皮脂の分泌量をコントロールするためにはシャンプーが有効です。
ただし、刺激の強いシャンプーで皮脂を奪いすぎると、かえって皮脂の分泌量を増やしてしまいます。
洗浄力が高い界面活性剤が使われているシャンプーと、洗浄力があまり強くない界面活性剤が使われているものがあり、どちらを選ぶかによって頭皮が受ける影響がまるで違ってきます。
石油や化学物質由来の合成界面活性剤は、水と油を混ぜ合わせる力が大きいので洗浄力の強さは魅力です。
しかし、頭皮の必要な皮脂も取り除いてしまいやすく、使い続けることで過剰分泌が悪化するおそれがあります。
一方、アミノ酸系の洗浄力が弱いシャンプーをいつも通り使ったのでは、溜まった皮脂を十分に取り除くことができません。
対策のためには、お湯だけでしっかりと予洗いしたあとで、洗浄力の弱いアミノ酸系のシャンプーで洗い直すのがおすすめです。
余分な皮脂を落としつつ必要な皮脂を残しやすくなります。
生活習慣とシャンプー方法の見直しで皮脂分泌量を適正に保とう
頭皮の皮脂は紫外線などの外部刺激から頭皮を守るために必要です。
しかし、過剰に分泌されると頭皮をべたつかせて、抜け毛の原因にもなります。
皮脂分泌量を増やすのは食生活や自律神経の乱れです。
バランスの取れた食事とリラックスで過剰になった皮脂の分泌量を抑える努力をしましょう。
頭皮環境を整えるためには、適度な皮脂を残す正しいシャンプー方法を覚えることも有効です。
頭皮環境を整えるためには、育毛専門サロンの利用も視野に入れてみるとよいでしょう。
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この記事の監修
EDITORIAL SUPERVISION
株式会社バイオテック
育毛業界で35年以上、脱毛の原因究明に始まる科学的・総合的「育毛用処理剤セット」において、 業界日本初の特許を取得。全国に広がるサロンネットワークとプロの技術、 育毛商品で薄毛・抜け毛にお悩みの方に寄り添い、育毛力を呼び覚ます「スカルプケア」を提供しています。