HAIR GROWTH
発毛・育毛
抜けた髪の毛の毛根部分に、半透明の塊が付着している場合があります。
この付着物の正体は、毛根鞘(もうこんしょう)という組織の一部もしくは、毛根脂の可能性が考えられます。
毛根鞘も皮脂も、もともと毛穴や頭皮に存在するものです。毛根鞘は毛母細胞によって作られた組織で、毛包内の髪と皮膚とを固着させています。髪の毛を引っ張っても簡単に抜けないのは、毛根鞘があるからです。また毛根脂は、健康な頭皮にも存在しますが、過剰分泌すると薄毛を招く要因になります。
どちらが付着しているかによって、頭皮環境が健康なのか乱れているのかが判断できます。もし付着物が皮脂なら、毛穴を詰まらせて頭皮環境を悪化させてしまう恐れもあります。
頭皮環境の乱れは、薄毛や抜け毛、そしてAGAの原因になるので早期発見と早期対応が重要です。
今回は、毛根の付着物が毛根鞘か毛根脂かの判別方法や、頭皮環境のケア方法などを通して、髪の毛やAGAとの関係を解説していきます。
目次
抜け毛の根元…チェックする方はどれくらい?
実際に、抜け毛の根本をチェックしている人はどのくらいいるのでしょうか。
100名の男女を対象に調査を行いました。
【質問】
抜け毛の根元をチェックしていますか?
【回答結果】
いいえ:62
はい:38
調査地域:全国
調査対象:年齢不問・男女
調査期間:2018年12月12日~2018年12月19日
有効回答数:100サンプル
抜け毛のチェックをしていない人は全体の6割!
調査の結果、抜け毛の根元をチェックしていない人は、全体の6割になることが分かりました。
そこで6割の人たちは、なぜ根元をチェックしないのか?について理由を聞いてみました。
・チェックしても、特に意味はないと思っていたんです。ただ、確認することで得られる情報があるならば、知りたいと思いました。(20代/女性/無職)・薄毛にそこまで悩んでいないせいか、抜け毛をあまり気にしたことがなく毛根のチェックもほとんどしたことがありません。(30代/女性/個人事業主・フリーランス)
チェックをしないと答えた人は、薄毛に対する関心度は低い傾向にあるようです。自分自身が悩んでいるわけではないので、薄毛を人ごとのように考えている印象すら受け取れました。
逆に、抜け毛をチェックしている人は、何を理由に確認しているのでしょうか?理由を聞いてみました。
チェックしていると答えた人は、全体的に薄毛や育毛ケアに対する関心が高い傾向にありました。薄毛や育毛ケアに関心がある人は、毛根と髪の毛の関係性に関する知識をすでに持っている人が多いようです。実際に、毛根の状態には髪の健康状態に関するヒントが詰まっています。
例えば何かしらの原因によって抜けた髪の毛根は、先端が黒くなっていたり毛球の形がいびつだったりします。抜けた毛根の先を見る癖をつけておけば髪に異常が起きていることをいち早く気付けるので、早めの対策が可能になります。
薄毛や抜け毛が気になるなら、こまめにチェックしたいところです。
抜け毛の根元に半透明な塊…「毛根鞘」かも
抜け毛の中には、根元に半透明の塊が付着している場合がありますが、この塊の正体は「毛根鞘」の可能性が考えられます。
そもそも毛根鞘とは、毛根と頭皮をつなげる組織のことで、内毛根鞘と外毛根鞘から成り立っています。
内毛根鞘は髪の毛と結びつき、内毛根鞘を包み込んでいる外毛根鞘は頭皮と結合することで、髪の毛を頭皮に固着させているのです。この毛根鞘があるお陰で、シャンプーやブラッシングなどのちょっとした刺激では髪の毛が簡単に抜け落ちることはありません。
また毛根鞘は、毛周期に合わせて髪の毛を固着する力が変わっていくのが特徴です。
ちなみに毛周期とは、髪の毛が生え変わるサイクルのことで、成長期→退行期→休止期を繰り返しながら抜けたり伸びたりしています。
髪の毛にはそれぞれ寿命があり、成長期で成長した髪の毛は、退行期に成長を止めて、休止期になると自然に抜け落ちます。
抜け毛の毛根に半透明の塊が付いている場合は、休止期の髪の毛と一緒に抜け落ちた毛根鞘の可能性が高いといえます。これは寿命を迎えてターンオーバーした毛根鞘のため、抜け毛に付着していてもこの場合は問題ありません。
ただ、成長途中の髪の毛を引っ張ってしまうと、ターンオーバーしていない内毛根鞘が付着してきます。
抜けてしまった毛根鞘はまた生成されますが、毛穴が傷んでしまうため、無理に引っ張ってしまわないように注意しましょう。
毛根鞘と皮脂の違いを知ることが抜け毛対策に
健康な状態の毛根は、米粒のような楕円形(だえんけい)になっています。
抜け毛の毛根が何もついていない楕円形の場合は、成長期、退行期、休止期と正常なヘアサイクルを経て自然に抜け落ちているので、特に心配する必要はありません。
ただ、粘性のある白い塊がべっとりとついている場合は、毛根鞘ではなく固まった皮脂の可能性が高いでしょう。健康な頭皮にも皮脂は分泌されていますが、毎日しっかり洗髪していれば、このような固まった皮脂が髪の毛にこびりつくことはありません。
皮脂が白く残るということは、何らかの要因で皮脂が過剰分泌になっているか、洗髪が不十分で皮脂が残ってしまっている可能性が高いといえます。
特に注意が必要なのは皮脂の過剰分泌で、毛乳頭や毛母細胞へ十分な栄養が行き渡りにくくなるため、髪の成長を妨げる原因になります。すると、髪の毛は細く抜けやすくなり、抜け毛につながりやすくなるのです。
さらに皮脂の過剰分泌が起こる主な原因には、過度なストレスなどがあげられます。頻繁にストレスを感じている方、発散できずに溜め込んでいる方は、抜け毛の毛根のチェックをすると良いでしょう。
また同じ付着物でも毛根鞘の場合は特に問題ありませんが、皮脂の場合は毛穴を詰まらせ、頭皮環境を悪化させる原因になります。
毛根が楕円形の状態なら、まだ髪の毛は弱っていませんが、毛根に粘性のある白い塊が付着している場合は、すでに危険信号のサインが出ている可能性があります。
毛根や髪の毛が細くなったり弱くなったりする前に、何らかの対処をおすすめします。
注意が必要な毛根の状態とは?
抜けた毛に付いている毛根は、髪の毛や頭皮の健康状態を表していることがあります。注意が必要な毛根の状態を知り、こまめに観察してみるとよいでしょう。
毛根が細い・毛根がない場合
毛根が細かったり、なかったりするときは注意が必要です。毛根が細いケースでは、血行不良や栄養不足といった理由で毛根の寿命が短縮されている可能性があります。
毛根がない場合は十分に成長する前に髪の毛が抜けてしまう状態になっているため、早めにクリニックやサロンで対処してもらうとよいでしょう。
毛根が短い場合
毛根が通常より短いときも注意が必要です。乾燥によって頭皮が硬くなっている可能性が高く、放置すると痒みや抜け毛、フケの原因となります。
毛根が変形している場合
毛根がギザギザなどに変形しているケースでは、ダイエットなどで精神または身体に強いストレスを抱えているのかもしれません。
毛根の先から細い毛が生えている場合
毛根の先から細い毛が生えているのは、毛周期の途中で毛が抜けたことで、次の毛まで一緒に抜けてしまっているケースです。
その他、頭皮の血行不良によって毛根が黒くなったときは、大量の毛が抜け落ちる可能性があるので気を付けてください。
頭をかくと白い塊が出る…その正体は?
頭をかくと出てくる白い塊は、角栓の可能性が高いでしょう。角栓とは、毛穴から分泌される皮脂と老廃物などが混じり合ってできるものです。白っぽい粒の形をしており、「コメド」と呼ばれる場合もあります。
角栓ができる原因は、皮脂の過剰分泌や、肌に合わないシャンプーを使っていることなどです。
適切な量の皮脂は自然に分解されますが、過剰に分泌されると分解しきれず、老廃物と混じり合って毛穴に蓄積されます。皮脂の過剰分泌は、ストレスや乱れた食生活、運動不足などによって引き起こされる場合が多いです。
洗浄力が強すぎるシャンプーを使うと頭皮に必要な皮脂まで落としてしまい、結果的に皮脂の分泌量が多くなります。反対に洗浄力が弱すぎても余分な皮脂を落とせないため、肌質に合ったシャンプーを使うことが大切です。
頭から出る白い塊は、角栓以外にヘアキャストや脂性のフケ、シラミの卵などの可能性もあります。
ヘアキャストは髪の毛を覆うように筒状に付着しており、髪の毛を引っ張った際などに毛包の一部が外に出てきたものです。シラミに似ていますが、指でつまむと簡単に取れます。
脂性のフケは、やや黄色っぽくなった、ベタベタしたかさぶた状のフケです。皮脂の分泌量が多いときにできやすいので、気になるときは食事の栄養バランスなどを見直すとよいでしょう。
手指で払ってもなかなか落ちない白い塊はシラミの卵の可能性があります。
成虫を駆除するとともに、専用のスキグシで毎日髪をとかすことが大切です。
それぞれの違いを知り、正体を見極めたうえで対策していく必要があるでしょう。
毛穴に皮脂が溜まると…薄毛につながる可能性も
皮脂腺から分泌されたばかりの皮脂は液状です。皮脂が過剰分泌されると、毛穴の中で詰まってしまいます。
毛穴の中にはターンオーバーした表皮が存在しており、皮脂と混ざり合うことで角栓様物質ができあがります。これが、抜け毛の毛根についてきた粘性のある白い塊の正体です。
角栓様物質は髪の毛を押し倒すほどの大きさにまで成長し、毛穴をガッチリと塞いでしまいます。すると、毛穴の奥の毛根にまでダメージを与え、髪の毛の成長を妨げたり抜けやすくしたりしてしまうのです。
また角栓様物質によって毛穴が塞がれたことで、皮脂腺から新しく分泌された皮脂は頭皮表面に出ていくのが難しくなります。その結果、皮脂は逆流して一層詰まり、やがて毛穴の中で炎症を起こすこともあります。毛穴が詰まるとフケの大量発生や頭皮のかゆみなどを引き起こすことも少なくないので注意が必要です。
このように皮脂の過剰分泌によってできた角栓様物質は、さまざまな頭皮トラブルの要因となり、薄毛やAGAにつながることも考えられます。
さらに毛穴の奥に詰まった皮脂の塊は、普通のシャンプーで取り除くことが困難になるので、シャンプーの選び方や洗い方などを、今一度、見直してみると良いでしょう。
そして角栓様物質は改善するだけではなく、できないよう予防することも大切ですが、皮脂量は血行不良や男性ホルモン、ストレス、食べ物(糖分・動物性脂肪など)により多くなります。そこで皮脂の塊を作らないように、生活習慣の乱れを改善するようにしましょう。
日頃から意識することで、健康な頭皮環境を維持するようにしてみてください。
皮脂の分泌を抑えるケア方法とは
実は、洗浄力の高いシャンプーを使って皮脂の過剰分泌を抑えようとするのは、あまり良い行為とはいえません。そもそも皮脂が過剰分泌する原因の1つは、頭皮が乾燥しているからです。
頭皮に限らず肌は乾燥を感じると、潤いを補うためにがんばってたくさんの皮脂を分泌しようとします。肌自体は乾燥しているにもかかわらず、肌表面は大量の皮脂でヌルヌルしています。
皮脂の過剰分泌を抑えるには、余分な皮脂は除去しつつ、適度な潤いは維持するのが理想といえます。
毎日使用するシャンプー選びも大切ですが、ここでおすすめしたいのはアミノ酸系のシャンプーです。理由としては、アミノ酸系シャンプーは、頭皮を刺激しにくく、優しく皮脂汚れを除去してくれるからです。
シャンプーをすすぐ行為も重要で、40度以上の熱いお湯を使うのは避けたほうが良いでしょう。というのも皮脂を必要以上に洗い流してしまうため、頭皮の乾燥につながる可能性が考えられます。
38~40度くらいのぬるま湯で、シャンプーやトリートメントのすすぎ漏れがないよう優しく丁寧に洗い流してみてください。
もし、乾燥が気になるようであれば、頭皮用ローションで潤いを補うのもおすすめです。その際、指の腹を使って、気持ちの良い強さでマッサージをしながら揉み込むようになじませると、血行が促進されて頭皮に浸透しやすくなります。
さらに頭皮マッサージと一緒に、ツボ押しも取り入れてみてはどうでしょうか。なかでも耳上の側頭部は、ストレス解消のツボとされています。
過度のストレスはホルモンバランスを崩して血行不良を招く要因になりかねません。そうなると髪の成長期が短くなったり毛母細胞に栄養が届かなくなったりするなど、脱毛リスクが高まる恐れがあります。耳上の側頭部のツボ押しを、1日3回、1回3分を目安に行うとストレスを解消するといわれていますので、ぜひお試しください。
抜け毛の毛根チェックは、育毛サロンに相談
抜け毛の毛根チェックは、髪の毛の健康を守るために重要です。
髪の毛の健康を守っていくには、毛根の付着物が毛根鞘なのか皮脂なのかを正しく判断し、適切なケアをしていくことが必要です。
まず、毛根の付着物の判断ですが、見分けるのはそれほど難しくありません。
毛根鞘と皮脂の塊は、どちらも半透明の付着物ですが、皮脂の塊は粘膜性があり、皮脂量が多くなると大きな塊になる場合もあります。これは毛根鞘には見られない特徴なので、皮脂だと判別することができます。
もし皮脂の塊である場合は、放置せず早めに何らかの対処をおすすめします。というのも皮脂の過剰分泌は、毛穴や頭皮トラブルにつながり、薄毛を招く原因になり得るからです。
適度にストレスを発散したり、シャンプーの選び方や洗い方を見直したりするなど、自分なりに改善することもできますが、本当に成果が出ているのか不安になることもあるでしょう。
そんな時は、育毛サロンの力を借りるのも1つの方法です。
バイオテックは、頭皮環境を整えて育毛力を呼び覚ますことに特化した育毛サロンで、全国各地のサロンでお試し体験を行っています。
お試し体験では、カウンセリングや頭皮環境のチェックに加え、炭酸シャワーでのもみ出しや、シャンプーとトリートメントも行い、バイオテック独自の育毛アプローチを体験していただけます。
毛根チェックをして、自分でケアをしてみたけど効果が出ているかわからない、ご自身の頭皮環境が気になる、そんな方はぜひお試し体験へいらしてください!
育毛のカギを握るIGF-1
毛母細胞の増殖を促進し、髪の成長期を伸ばす「IGF-1」
ヘアサイクルが正常であれば、1本の髪は2~6年の間、成長し続けますが、成長期でも髪が抜け落ちてしまうケースもあります。脱毛ホルモンや血行不良、老化などの影響により、毛母細胞の働きが衰えてしまうと、髪に十分な栄養が届かなくなり抜けやすくなるのです。
このような異常脱毛を防ぐためには、衰えた毛母細胞を活性化することが重要です。そして、その行方を握っているのが『IGF-1(インスリン様成長因子-1)』と呼ばれている体内物質です。
『IGF-1』は誰もが体内に持っている成長因子であり、私たちの生命活動に深く関わってます。『IGF-1』が増えることで、生活習慣の予防や免疫力の増加、骨密度の上昇、肌の老化防止などが期待できます。
さらに、毛母細胞の増殖促進にも高い成果が見込めるので、薄毛対策につながりやすいといえます。しかし、『IGF-1』は年齢を重ねるとともに減少していきます。毛母細胞の活発化を維持するには、いかに『IGF-1』を増やしていくかがポイントとなります。
『IGF-1』の生成を維持するために生活習慣を再確認しましょう
『IGF-1』が減少する原因は、加齢だけとは限りません。例えば、過剰なストレスも『IGF-1』を減らす原因の1つといえます。適度なストレスであれば心身を健康に保ちやすいですが、過剰なストレスは血行不良を招いて、内臓機能を低下させます。これでは『IGF-1』を増やす栄養素を摂取したとしても、意味がなくなってしまいます。さらに血行不良も毛母細胞の働きに悪影響を与え、育毛力を弱らせてしまう原因になるかもしれません。
そのほかにも、睡眠不足や早食い、塩分の摂取も『IGF-1』の増加を妨げます。日々の生活習慣を改善すると『IGF-1』の生成を増やせる可能性もありますので、見直してみましょう。
「IGF-1」を増やす4か条
血行不良の改善に有酸素運動を導入
ウォーキングやジョギング、サイクリングなどの有酸素運動は、血行不良やストレス解消につながります。また筋肉量が増えると、『IGF-1』の産生促進にもなるので、スクワットなどを取り入れるのもおすすめです。
湯船に浸かって身体を温めましょう
入浴はシャワーで簡単に済ませるのではなく、湯船にしっかり浸かるようにしましょう。身体が温まることで、全身の知覚神経が刺激されて『IGF-1』が増えやすくなります。長めの入浴やサウナもおすすめです。
質の良い睡眠をとるようにする
睡眠は、身体にとって大切なメンテナンスの時間です。質の良い睡眠を心がけることで成長ホルモンが分泌されます。さらに副交感神経の働きが高まり『IGF-1』増加につながりやすくなります。
ストレス緩和のためにポジティブ思考を
人によってストレスの感じ方は異なります。例えば、同じ環境で同じ外的刺激を受けても、それをストレスに捉えるか否かはその人次第です。ストレスは、考え方1つで大きくも小さくもなりますので、悪い方向にばかり考えすぎないよう、ポジティブ思考を意識するよう心がけましょう。
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この記事の監修
EDITORIAL SUPERVISION
株式会社バイオテック
育毛業界で35年以上、脱毛の原因究明に始まる科学的・総合的「育毛用処理剤セット」において、 業界日本初の特許を取得。全国に広がるサロンネットワークとプロの技術、 育毛商品で薄毛・抜け毛にお悩みの方に寄り添い、育毛力を呼び覚ます「スカルプケア」を提供しています。