HAIR GROWTH
発毛・育毛
円形脱毛症はある日突然発症し、髪が抜けてしまう病気です。
鏡で脱毛箇所を見つけたり、人に指摘されたりしてショックを受けたという人もいると思います。
円形脱毛症はストレスが原因というイメージが根強くありますが、実際にはストレスを含む複数の要因が重なって発症します。
円形脱毛症は自己免疫疾患という説が有力であり、ほかの薄毛や抜け毛の症状とは原因も対処法も異なります。
症状に適切に対処するためにも、正しい知識を身につけておきましょう。
目次
円形脱毛症の初期症状とは?
円形脱毛症は、基本的に髪の毛が抜ける以外の自覚症状をほとんど伴わない病気です。
特に痛みなどもなく髪の毛が抜け、頭皮に地肌が露出した部分ができます。
したがって、自分でも気づかないうちに発症しているというケースもあるようです。
急な抜け毛の増加や脱毛した部分を発見したことがきっかけで、初めて症状に気づいたというパターンが多いようですね。
しかし、人によっては初期症状として頭皮にかゆみや赤み、違和感が現れる、爪に小さな凸凹ができるといった症状が現れる場合もあります。
急な抜け毛の増加、爪の異変などの症状が現れたら、それは円形脱毛症の初期症状である可能性があります。
詳しくは、「初期の円形脱毛症はどんなもの?見分け方と対策は?」をご参照ください。
円形脱毛症はかゆみを伴う?
円形脱毛症そのものは、かゆみをほとんど伴わない病気です。
なかには、髪の毛が抜ける前にかゆみが出るという人もいますが、かゆみもなく髪が抜けてしまうこともあります。
しかし、実際問題として「円形脱毛症の患部にかゆみを感じた」という経験のある人も多いようです。
円形脱毛症の患部がかゆくなってしまう原因としては、頭皮の汚れに伴う雑菌の繁殖や頭皮の乾燥などが挙げられます。
なかには、マラセチア毛包炎のような皮膚病が原因になっているケースもありますので、気になる症状があったら皮膚科の医師の診察を受けましょう。
詳しくは、「円形脱毛症でかゆみが出るのはなぜ?原因と対策方法とは」をご参照ください。
円形脱毛症の原因とは?
円形脱毛症に関するありがちな誤解として「ストレスが原因」というものがあります。
しかし、実はストレスは発症のきっかけのひとつにしか過ぎません。
実際にはストレスのほか、病気による高熱や疲労、薬剤アレルギーなどさまざまなきっかけで発症します。
円形脱毛症そのものは自己免疫疾患といわれており、何らかの原因で免疫系の働きが異常を起こしてしまうのが原因です。
身体を異物から守るはずのリンパ球が髪の毛を作る毛根を間違って攻撃し、毛根が破壊されて髪が抜けてしまいます。
発症のメカニズムについては未だにわかっていないことも多く、思い当たるきっかけがないのに発症するケースも存在します。
詳しくは、「円形脱毛症になるメカニズムやきっかけは?原因やケアについてのまとめ」をご参照ください。
円形脱毛症になりやすい体質とは?
円形脱毛症の発症については、遺伝や生まれつきの体質との関連性も指摘されています。
アトピーなど、ほかの自己免疫疾患を持っている人は発症のリスクが上がることが知られているからです。
こうしたアレルギー体質は遺伝の影響も大きいため、円形脱毛症になりやすい体質は遺伝すると考えられます。
しかし、なりやすい体質だからといってすべての人に症状が現れるわけではありません。
実際には、ストレスや生活習慣の乱れなど後天的な要素も関係しています。
逆に、なりやすい体質の人でも普段の生活に気をつければ発症のリスクを下げることが可能です。
詳しくは、「円形脱毛症の原因は何?体質はどの程度影響するの?」をご参照ください。
円形脱毛症は女性に多い?
円形脱毛症は、性別や年齢に関係なく発症する病気です。
しかし、女性の場合、女性特有のホルモンバランスの変動がきっかけで発症するケースがあります。
女性の髪の健康には女性ホルモンと大きな関わりがあり、ホルモンバランスが大きく変動する産後や更年期では髪に関わるトラブルが起こりやすくなります。
特に産後、円形脱毛症を発症するリスクが高くなることが知られています。
産後はホルモンの関係で一時的に抜け毛が増加します。
この抜け毛は通常は時間が経てば元の量に戻るものです。
しかし、人によってはそのときに円形脱毛症を発症してしまうことがあるのです。
詳しくは、「円形脱毛症になりがちなのは女性って本当?症状や対処法まとめ」をご参照ください。
円形脱毛症ってほっといても大丈夫?
円形脱毛症は、髪の毛が抜ける以外の症状がほとんどなく、初期のうちは脱毛範囲もそこまで大きくありません。
その気になれば髪の毛で隠すこともできるため、症状を放置してしまう人もいるようです。
実際のところ、円形脱毛症になったときにすぐに対処したという人はどれくらいいるのでしょうか。
円形脱毛症に悩んだ経験のある人に、実際に円形脱毛症になったときにどう行動したかについて聞いてみました。
すぐに対処する人もいれば放置する人も
・すぐ病院に行きました。髪をめくらないとわからない程度だったので状態としてはしばらくそのままでした。(25歳/女性/正社員)
・何もしなかった。半信半疑で、まさか自分がなるとは想定さえしていないので、様子を見ることしか出来なかった。(40歳/女性/個人事業主・フリーランス)
・生活の改善を行いました。食事に気をつけ、睡眠を良くとるようにしました。(39歳/女性/個人事業主・フリーランス)
・脱毛を防ぐための方法を知らなかったので、症状をごまかすために頭髪を剃り落として坊主にしました。(41歳/男性/正社員)
・帽子をかぶって隠しました(40歳/男性/無職)
・亜鉛を取るようにし、ストレスをなるべくなくす生活を心がけていました。(28歳/男性/正社員)
【質問】
円形脱毛症になった時、あなたは何をしましたか?
【回答結果】
フリー回答
調査地域:全国
調査対象:年齢不問・男女
調査期間:2018年11月22日~2018年11月29日
有効回答数:107サンプル
病院に行った、生活習慣を見直したなどの対策をした人がいる一方で、何もしなかったという人もいるようです。
また「ストレスが原因でなった」と感じる人も多かったせいか、ストレス対策に力を入れる人が多かったのも印象的でした。
円形脱毛症は自然治癒できる?
円形脱毛症に悩んだ経験のある人のなかには、放っておいたら自然に治ったという人も多いようです。
しかし、自然治癒する人もいるからといって、安易に症状を放置するのは危険です。
円形脱毛症にはいくつかタイプがあり、なかには自然治癒が難しいものもあります。
自然治癒が期待できる脱毛症は、脱毛した場所が1カ所だけしかなく、しかも範囲が狭い場合です。
こうした脱毛症については、ストレスなど症状悪化の原因になる要素を取り除いたり、食事の栄養バランスや睡眠を見直したりすることで改善が見込める場合もあるようです。
症状が悪化するほど治りにくくなる病気ですので、早めの対処をおすすめします。
詳しくは、「円形脱毛症は自然治癒できる?メカニズムと注意点」をご参照ください。
円形脱毛症になりやすい食事とは?
円形脱毛症の予防・改善には、食事の見直しが効果的だといわれています。
食事の栄養バランスが崩れて髪や頭皮が栄養不足の状態に陥ると、抜け毛の症状が悪化しやすくなるからです。
円形脱毛症を予防するためにも、髪や頭皮に必要な栄養を食事でしっかりと取り入れる必要があります。
髪や頭皮の健康維持に欠かせない栄養素としては、髪の毛を作るのに必要なタンパク質や亜鉛、ビタミンB群などがあります。
また、ストレス対策という意味ではストレスに対抗するために必要な栄養素を摂取し、ストレスへの抵抗力を高めることも重要です。
こうしたストレス対策に役立つ栄養素には、柑橘類に含まれるビタミンCなどがあります。
詳しくは、「円形脱毛症の予防は食事がカギ!食べ方と食べ物のポイント」をご参照ください。
円形脱毛症には漢方が効く?
円形脱毛症に悩んでいる人のなかには、漢方治療に取り組むことを検討している人もいるのではないでしょうか。
漢方治療は患部をピンポイントで治療する西洋医学とは違い、乱れてしまった身体の全体的なバランスを整え、それによって気になる症状を改善していくことを目的としています。
体質改善を目指すものなので即効性はないものの、円形脱毛症だけでなく、ほかの身体の不調を一緒に改善する効果が期待できるといわれています。
ただ、円形脱毛症の改善効果については医学的な検証が不十分、副作用のリスクがあるといったデメリットもあることを知っておきましょう。
詳しくは、「円形脱毛症に漢方は効果あり?漢方薬の特性は?」をご参照ください。
円形脱毛症に育毛剤は効果あり?
円形脱毛症のケアに、市販の育毛剤を取り入れる人もいるようです。
しかし、円形脱毛症の原因は、ほかの薄毛・抜け毛とは全く異なります。
円形脱毛症の原因は免疫の異常です。
しかし、育毛剤には今ある髪の毛を健やかに育てる育毛効果は期待できるものの、免疫系そのものに働きかける働きはありません。
したがって、頭皮のコンディション悪化による抜け毛・薄毛の予防には効果的であるものの、円形脱毛症の改善に効果はあまり期待できないと考えられています。
自己流の誤った対処法を続けるとかえって症状が悪化してしまうおそれもあります。
まずは原因を突き止めたうえで、それに合った対策を考えることが大切です。
詳しくは、「円形脱毛症に育毛剤は効く?効かない?」をご参照ください。
円形脱毛症になったら何科の病院がよい?
円形脱毛症は皮膚科の病院で治療することもできます。
また、薄毛治療専門のクリニックのなかにも、円形脱毛症のケアを引き受けているところがあります。
なお、一部の治療を除き、治療には健康保険の適用が可能です。
病院では症状の程度に合わせて、外用薬の塗布や内服薬の処方、局所注射などさまざまな治療が行われます。
そのなかでも、特にステロイド注射や局所免疫療法は日本皮膚科学会のガイドラインでも推奨されている治療法であり、第一の選択肢として選ばれることも多いです。
前者は脱毛範囲が狭いケースで、後者は広範囲の脱毛が見られるケースで行われます。
詳しくは、「円形脱毛症で病院へ行くには?適切な科と治療内容の詳細」をご参照ください。
正確な知識で早めの対処を
円形脱毛症については、ストレスが直接的な原因、放置しておいても自然に治るなど誤ったイメージが広がっている傾向があるようです。
円形脱毛症は軽度の場合は自然治癒することもありますが、まれに悪性の脱毛症に進行してしまうこともあるので油断は禁物です。
重症の円形脱毛症では脱毛範囲が広がり、場合によっては髪の毛が全部抜けたり、全身の体毛がすべて抜けたりすることもあります。
症状悪化を防ぐためにも、抜け毛の増加など気になる症状を見つけたら早めに対処することが重要です。
この記事の監修
EDITORIAL SUPERVISION
株式会社バイオテック
育毛業界で35年以上、脱毛の原因究明に始まる科学的・総合的「育毛用処理剤セット」において、 業界日本初の特許を取得。全国に広がるサロンネットワークとプロの技術、 育毛商品で薄毛・抜け毛にお悩みの方に寄り添い、育毛力を呼び覚ます「スカルプケア」を提供しています。