- Interview.09
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誰かの人生
に寄り添う仕事。
ケアを通じて
築く信頼。
上山 満里奈サブロイヤルカウンセラー
- プロフィール・
これまでのキャリア - 和歌山県出身、34歳。直接人の役に立てる実感が得られる接客業を志望し、2013年に新卒でバイオテックに入社。関西エリアに配属され、京都駅前サロンでチーフアドバイザー、カウンセラーを経験。その後、京都河原町サロン、大阪梅田サロンで店長を務め、産休・育休を取得。復帰後は京都駅前サロンで副店長として活躍中。

環境の変化が、仕事への向き合い方を教えてくれた。
私がバイオテックに入社したのは、33歳の時。曲がりなりにも色んな仕事を経験してきたから、ここでもそれなりにやっていけるだろうと思っていました。でも入社早々、私は自分のできなさを知ることになります。自分では頑張っているつもりでも、なかなか技術がうまくならない。やっと任せてもらえたシャンプーでも、お客様の背中をビショビショに濡らしてしまう始末。店長には怒られて、心配もされて、休みの日ですら勉強に付き合ってもらっていました。それなのに全然ダメで。あー私、ほんと何やってるんだろうって、しょっちゅう涙を流していました。
そんなある日、店長から「3ヶ月だけ、東京に行かないか」と、期間限定で異動を打診されたんです。それまで広島を離れたくないと思っていた私も、そのときばかりは二つ返事で承諾。東京に行けば自分を変えられるかも、何かヒントを得られるかも、と思ったからです。
結論、東京に来てよかった。配属先の池袋サロンは、お客様もスタッフも、広島とは比にならないくらいの人数でした。予約はいつも一杯で、みんな大忙し。でも、忙しいながらに楽しそうでもあって。この仕事が好き、お客様が好き、という気持ちが伝わってきました。
そしたら突然、広島での自分がちっぽけに見えてきて。初めて「まわりに負けたくない」とか、「前向いて頑張んなきゃ」と思えるようになったんです。これまで口癖だった「こんなに頑張ってるのに」って言葉は、できない自分を肯定しているだけだった。環境の変化が、私の仕事への向き合い方を変えてくれました。

お客様の心を開きたい。
だから私は、成長をやめない。
東京に来てから少し経ち、バイオテックに10年以上通ってくださっているお客様を担当することがありました。最初にお会いしたときから寡黙な印象の方で、技術の最中も、効果をご説明する際も、ほとんど無言。スタッフとの会話を楽しみに来店されるお客様も多いなか、なぜこの方はいつも黙っていらっしゃるのだろう、と疑問を感じていました。
あるとき私は、意を決してお客様に聞いてみることにしたのです。私たちに対して思うことがあるなら、率直に教えてほしいと。すると、いつも静かなお客様が顔色を変え、口を開き、「担当者が変わるたびに、この人は信用できるのか?と不安になる。それが嫌で仕方ない」と言うのです。
今までの我慢があふれる、あふれる。心がズシンとなりました。そんな気持ちを抱えながらこの人は何百回と技術を受けてきたのか。もっと早く気付いてあげたかった。お客様のためを思って流す涙は、これが初めてでした。

それからです。私がお客様のために成長したい、と明確に思えるようになったのは。相手の心をちゃんと見たい。そのために勉強を頑張りたい。私がもともとやりたかった「人と接する仕事」ってこういうことか、と一本の筋が通った感覚でした。
結局私は、自分で選んで東京に残ることにしました。まだまだここで、学べることが沢山あると思ったから。知らない街に一人、不思議と退屈や寂しさを感じないのは、それだけ仕事にのめり込めているからかもしれません。
※2025年4月現在の内容です